就業規則

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◆「会社の法律」就業規則は会社を守る!

よく就業規則は会社の法律と言われます。それはなぜか?
就業規則には、会社で働くすべての労働者(もちろんパートタイマーやアルバイト、契約社員も含みます)の様々な労働条件など、例えば労働時間、休日、有給休暇、賃金、退職金について定めるとともに服務規律、解雇、懲戒、ということも定めます。

思い出して下さい。事件を起こし罪に問われる際に根拠となる「法律」があることを。
民法第709条不法行為による賠償請求とか、日本国憲法90条公序良俗に反するとか、また刑法第○条に基づき○○に処するとか。すべて法律によって裁かれていますね。就業規則も同じです。問題社員に対し減給、出勤停止、懲戒解雇などの処分に処す場合、優秀な従業員を表彰する場合、私傷病により休職する場合、など根拠となる法律が必要になります。そしてその根拠となる法律は会社が自由に決められるのです(もちろん違法な部分は無効ですが)。従業員のモチベーションを喚起し、問題社員から会社を守るために、きちんとした就業規則が不可欠なのです。

■ 就業規則の作成・届出義務

「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届けなければならない」(労働基準法第89条)

この「常時10人以上の労働者」とはパートタイマーやアルバイトを含みます(臨時雇用は除く)。つまり例えパートタイマーのみで10人でも、常時使用するならば、会社には就業規則の作成義務が生じ、所轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。もちろん法人事業所、個人事業所を問いません。

労働基準監督署の調査があると、「36協定」とならびまず最初に指導されるところでもあります。10人未満の事業所は労基法では作成・届出義務はありませんが、「会社の法律」の概念から作成・届出されるほうが良いことは明白でしょう。
その反面として、決算書の公告や取締役に任期がある等規制も多く、役員は任期満了で引き続き再任され就任する場合でも登記が必要等費用もかかります。
合同会社は親族や友人等で閉鎖的に事業を運営していくような小さな会社に向いている組織です。設立費用が少なく済み、設立後の規制も少なく運営上の費用もかかりません。社会一般的な認知度が低いのが欠点ですが、介護事業などあまり法人名が事業の成否に関係することのない事業には向いているのかもしれません。

■ 就業規則を労働基準監督署に届けてあれば大丈夫?

就業規則を一度でも労働基準監督署に届け出た経験がある方は、思い出して下さい。
届出の際、入念なチェックを受けましたか?たとえ目を通すことがあっても、明白な法律違反がある場合を除き、受理してくれたはずです。しかし受理イコール就業規則の内容全てをお役所が承認してくれたわけではありません。問題が生じたときは全面的に就業規則の内容がとおるわけではないのです。それはなぜか?労働基準監督署はあくまで「受理」しただけであり内容の可否までは保証したものではありません。そもそも労働基準法および関係法令に反する就業規則はその部分に関し「無効」となります。すなわちいちいちチェックせずとも法令違反の部分は初めから無効となるのです。

■ 就業規則を作成するメリット

(1) 従業員、会社の基本ルール、権利と義務が明確となり、それを基に安心して本業に取り組める。
(2) 万が一トラブルが発生しても、会社の法律である就業規則に基づき処理することが可能である(違法な部分はダメですが)。
(3) 今となっては会社経営にかかせない助成金を受給しやすくなる(就業規則の作成が要件になっている助成金が多いんです)。

「会社にとって不利な内容をわざわざ規定することもないだろう」という経営者の声もよく耳にします。しかし会社の発展を願うならは「従業員」という要素はかかせません。会社の利益を生み出す従業員にやる気を持って仕事に取り組んでもらうためには、必ずルールが必要です。労務管理、従業員の士気高揚のために法律が必要なのです。

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